内心期待してる自分、ってよくあることじゃない?
ああこいつらやっぱだめだ、と思いながらも、ひょっとしたらそうなるのかも、なんて人に期待しちゃうこと。これさえなくなればあたいの気持ちもだいぶ落ち着くと思うんだよね。
まあ、クラブのことなんだけれどね。
小説を書く、なんていいながら、うまくなりたいとかを考えている人はいなくて、むしろ、書ければいい的な自己満足で終わってる人たちしかいないからね。話してる内容と言えば、アニメ、コミケ、二次元、それぐらい。アニメなら多少だけれども、ほかは全くと言っていいほど分からないのがあたいだから話にはついていけなくて。
でも、それを近くで見てるのって、すごく苦痛なんだよね。すぐそばに人がいるのに、かかわっちゃいけない、大きな壁があって。フラクタルの最終回のアレみたいな。それをずっと見せ続けられて、同じことを語り合える人が欲しいなんて思わないほうがおかしいよね。
でも、あたいが語れるなんて小説のことしかないんだよね。しかも、人の書く小説とかじゃなくて、どうやって書く? っていう問題の方。結局小説を書くクラブであっても、あたいの話せるトピックって話すタイミングがないんだよね。
クラブの連中は何考えてるか知らないけれどさ、あたいは、連中は仲間とは違うと思ってるんだよ。だって、やってる事は一緒でも、見ている方向は全然違う。部員二十名強の中、あたいだけがそっぽを向いていて、ほかのみんなはおんなじ方向向いて、わいわい言いながらやってる。
あたいだけぽつーん。
ま、人生詰んでる人間の人生なんざその程度なんだろうけれどさ。
世の中数の暴力で成り立ってるのは理解してるから、妥協すべきというか方向を変えるのはあたいだと思ってる。
でも、ほんのちょっとだけ、期待しちゃうんだよね。もしかしたら……って。
徒労なのも分かってるのにね。ばかみたい。
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