ツイッターの診断メーカーで三段噺をしろというメーカーがあって、それをやったら、
お題は『「蛇苺」と「結局お前は何がしたい」と「誕生日には毒入りのお菓子を」』だ。書けるもんなら書いてみやがれ。
と言われたものだから書いたよ↓
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▶何を思ったか、ヤツはハーブといいはるものを家電量販店のビニル袋に押し込んでやってきた。それでいきなり台所を貸せ、と俺のOKもなしに台所に袋を置いた。
▶勝手に台所を漁るヤツ。水を張った鍋をコンロに乗せて、袋から草を取り出した。どう見てもハーブの類ではない。そこら辺に生えている、犬が小便を駆けているような草だ。ヤツはそれをハーブという名の雑草だ! と譲らず、それを煮はじめた。徐々に立ち込める胃が動く匂い。ヤツは鼻歌を歌いながら、ごく平然とキッチンに立っている。おい、結局おまえは何がしたいのだ。
▶ボウルに開けた煮汁が一瞬だけ見えて、見るからに流しに捨てるほかのない色合いだった。けれどもそれをヤツは、小麦粉にかけあわせた。
▶鍋を下ろして、代わりにあげるのはフライパン。ボウルの中でぐりぐりかきまぜたブツをフライパンの上に何回か落として、響く音はまさしく料理の音。けれども、さきほどの汁を見ていてはどうも恐ろしいアラーム音にしか思えなかった。
▶炒める音さえなくなって、オレの前に供されるのは、全く普通のホットケーキ三段重ねだった。ホットケーキのてっぺんには赤い実があって、それもまた道端で見覚えのある蛇苺だった。
▶誕生日には毒入りのお菓子をあげようと、と口にしたヤツ。誕生日を祝ってくれるのはうれしいが、どうして食べられる毒入りをつくろうとしたのか、ホットケーキを菓子だと思っているのはいかがなものなのか、つっこみどころしかない。
▶そもそも、赤の他人がどうして俺の誕生日を知っていて、それを祝おうとするのか、についても大いなるつっこみどころである。
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