EPUBの小説コンテンツについて。
あたいの内定先の関連企業に電子出版システム[DRMシステム)を独立させた会社があるわけだけれども、あたいの関心と相まって、ずっとグルグル回っているビジネス的問題。
小説の電子書籍の市場は作れないものか?
がっつり出版社的思考。電子書籍があたかもつい最近になって現れた新技術のようだけれども、電子書籍自体は昔から日本にはあるんだよね。ボイジャーが開発している.book形式とか。シャープが開発したXMDF形式。
とくにXMDFはauのケータイとかでは見覚えがあるかも。
ようは、漫画を携帯で閲覧するのに使われてるのがXMDFで、ようはそれって電子書籍だよね? と。しかもかなりmovableな「動くコンテンツ」だったりする(漫画のコマを目で追っているように画面のコマが動く)ところ、アメリカでの電子書籍に比べるとはるかに技術は高い。ただしXNDFはクローズドソースの規格だから、一般人には全くコンテンツを制作できないけれども。
電子書籍市場としては数百億程度だけれども、そのほとんどはケータイコンテンツとして、つまりはコミックコンテンツである事を考えれば、日本の電子市場ってものが見えてくると思うんだ。
ただし、やっぱり小説で考えると、市場らしきものが形成されているとは思えない。そういったコンテンツの場を見て見ても、無償公開であることが多いし、それは市場ではなくて単なるさらし場、一方で課金となっているところをみても、小説よりも圧倒的にコミックコンテンツが多い、あたいが作品提供している新興企業さんのところだと、一般向け小説作品が15作品と言う貧弱さ(もともと企業として力がないのだけれども)。
日本人は「語る」ことよりも、「みせる・イメージさせる」ことのほうに価値を感じるのかもしれない。
EPUBの場合、これでコミックのレイアウトは不可能だから、事実上小説のみが扱える規格ともいえるわけで、しかもオープン規格で製作にもツールがそろってる。やっぱここに商機がある気がする。もしさ、プロの作家とプロ志向のアマチュア作家がおなじ場所で小説を販売できるとしたらどうだろう? いわゆるプロしか並べなかった書店というマーケットとは異なる性質を持った、書店+文学フリマみたいな状況が造れるような気がする。
作家だけじゃなくて、出版社にもメリットがあるんじゃないかな、と。漫画だと「育てる」っていう習慣があるけれども、小説だと一部のライトノベルを除いてまず「そだてる」ことはない。自力で這い上がるしかないのだけれども、上記のようなマーケットで、価格設定などを柔軟にできるようにすれば、「実力試しとして無料公開してみよう」とか、「そろそろプロとしてそれなりの価格に設定して販売を開始しよう」といったことができるわけさ。レビュー機能をつけておけば、それなりのレスポンスがあるだろうし、それをもとに編集もアドバイスしやすくなる。あるいは、小説のマーケットにおける潜在的需要を見つけることもできるかもしれない。
どうじゃろ?
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